第七章 組手稽古
- 組手稽古は、自分の状態を相手に表現していただくことで、客観的に自分の状態を理解することにあると考えます。相手をやっつけてやろうとか、相手を倒そうなどと考えるのではなく、落とす等、自分のことをしっかりやるよう心掛けます。
- 自分のことよりも相手のことを考えた時点で、相手に捉われていることになります。真の目的は、自身の実在を相手に伝えることですから、自分のことを忘れてはいけません。自身の実在を感じながら動くようにします。
一 騎馬立対前屈組手
- 受け手は騎馬立になって突き手の手首を握り、まっすぐ前を向いて念いを落とします。突き手が視界の端に見えますが、その動きに捉われず、自身のことに集中するようにします。
二 前屈対前屈組手
- 受け手は突き手の手首をしっかり握り、念いをまっすぐ下に落とします。念いを落とす際、突き手の動きに捉われず、自分のことに集中するようにします。
三 前屈移動対八字立移動組手(90度〜180度)
- 間の稽古です。移動しても間を変えず、両者が一体となって動きます。
- 両者の落とし方に高低差がなく、お互いに正面を取り合っている状態である必要があります。
- 相手に合わせようとするのではなく、合っている状態で行います。合っているかどうかは礼で分かります。お互いの礼が一致していれば合っています。少なくとも、礼が合っていないとできない稽古です。
四 突き
- 突き手は、腰の高さは変えず、そのまま移動します。
- 遠くを突くという意識はしません。自身の実在を保ちつつ、移動します。
- 前に進む動きと後ろに下がる動きがあります。どちらも同じ姿になるようにします。前に人に立ってもらい、前後に動くことで「間」を学びます。
五 その他の組手稽古
- 空天会では、稽古の段階において、その他の組手稽古として、「二か条」や、「木刀」を使った稽古を行い、自分の実在を相手に伝える表現として利用させて頂いています。