第二章 空天会の稽古
江上先生が空手道について語られている中で、次の言葉があります。
- 至上最高への道
- 闘争を超える
- 自他一体(自自一体)
- 人間探求
- 本当に仲良くなること
空天會の稽古は、空天會訓に挙げている、「落とす」、そして「絶対基本・実在・球体」を実践することにより、江上先生が示された空手道を、技術的かつ理論的に解明していきます。
落とす
- 「落とす」とは、気持ちを鎮めて、全身の力みを失くし、念いと体の重みを足裏からまっすぐ下に落とすよう集中する行為です。
- 集中と緊張は異なります。集中からは自然な動きが生まれます。
- 気持ちを鎮める際、内に篭らないように注意します。しっかりと自分の実在を主張し続けるよう心掛けます。
- 落ち方は、集中の度合いによって異なります。正しく稽古を続けることで、より深く、大きく、落とせるようになります。
絶対基本
- 空天会では、全ての動きに共通していることを「絶対基本」と呼んでいます。
- 「絶対基本」を、正確に、緻密に、厳格に行い、繰り返し行うことで、心身を作り上げていきます。
- 「絶対基本」には、「軸をまっすぐ」や「正面」等の要素があります。
実在
- 落とすことにより、自分の存在が周囲に伝わり、自分の実在が生まれてきます。
- 正確に落とし、正確に自分の実在が伝わるよう、取り組むことが大切です。
- 実在の伝わり方をコントロールすることは周囲との「間」をコントロールすることと同じことであると考えます。
球体
- 落とすことにより、自分の実在が周囲に伝わります。その方向は全方位で球体です。
- 球体の中心は体軸に沿ってまっすぐ下に落とした線と床との接点です。例えば、閉足立の場合は足裏が中心になります。騎馬立の場合は体軸に沿ってまっすぐ下に落とした線と床との接点が中心になります。
- 球体という考えはひとつの挙動で全方位に対応することを意識していますが、それが最終的な目的(ゴール)ではありません。完全に落とし切れば相手は攻めてこれなくなります。「ただ立っていればよい」そのような姿になることが目的です。