稽古内容

第四章 柔軟

  • 柔軟は、日々の生活の中で知らず知らずのうちに凝り固まった筋肉をほぐし、同時に、それを稽古仲間と行う事で、互いの心を柔し、心と体を稽古に適した状態と成すことにあります。
  • 自分の体の現在の状況を確認します。
  • 「準備稽古」ではありません。稽古に準備はないと考えます。

一 柔軟1

  • 体を反らし、体幹を伸ばします。
  • 最初は自分の帯と相手の帯の位置がほぼ同じ高さにしてそらせます。体がほぐれてきたら、自分の帯を相手の帯より高い位置にしてそらせます。
  • ほぐれる前に伸ばすと予期せぬ怪我をする恐れがあるため、掛け手は十分に注意します。
  • 受け手は体幹を伸ばしている間、力を抜き、自ら伸ばすよう、意識します。呼吸は止めず、ゆっくり長く行うと、より伸ばすことができます。

二 柔軟2

  • 背中や肩と背骨とその周辺をほぐし整えます。
  • 掛け手は、受け手の背中に自分の胸を当て、背後から受け手の両肘を持ち引き寄せながら、受け手の背中を押します。
  • 相手のまっすぐな感覚と自分のまっすぐな感覚をもつことで、まっすぐに向き合う感覚を養います。

三 柔軟3

  • 両手を後ろに持ち上げ、肩を伸ばし、ほぐします。
  • 間を締めて手を握り、ゆっくり持ち上げます。相手の体の固さに応じて、高さを調整します。
  • 受け手は体を前に倒しすぎないようにし、力まずに自分から手を持ち上げるようにします。また手が上がりきったところで、自分の軸を意識しながら体とともに手を静かに下ろします。

四 八字立対騎馬立

  • 八字立対騎馬立は、自分の心を鎮め、気を開き、落ちた状態になることで、相手の体の奥にある部位をほぐします。
  • 落ちた状態で、相手の手を間を締めて握り、自分の体の中の凝っている部位をほぐすことに集中します。相手のことを動かそうとする作為はありません。受け手の方も、相手に合わせようとする作為はありません。自分の体の中の反応する部位を素直に動かし、凝りをほぐしていきます。

江上茂先生の書『夢』(うつろな夢)

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