第六章 型稽古
- 型の稽古の目的は、集中力を高めることにあると考えます。一連の動きの中で、基本稽古で身につけた体や心のありようを正確に表現するよう心掛けることで、長く集中できるようになり、一旦集中が途切れても再び集中できるようになります。
- 始めから終わりまで集中し続けるよう心掛けます。始めの号令がかかる前も、終わりの号令がかかった後も残心の念いで立ち続けるようにします。
- 型の一つ一つの動きについて、意味を理解した上で動くようにします。突きや払い、打ち込みなど、型の動きには意味があります。意味を理解した上で、その動きを基本稽古で身につけた動きや念いで表現するようにします。
一 太極
- 太極は、追突きと下段払いで構成され、左右と前後に動く型です。
- 最初の下段払いの腰の高さを、最後の追突きまで変えません。同じ高さで動きます。
- 一貫して、体の軸は垂直に、目線や肩は水平に保ち、手は間を締めて握り、足は床から離さず、かつ踵が浮かないようにします。
- 心を鎮めて、心身ともに柔らかく、落ちた状態で動き始め、動きながら、さらに落とすようにします。
江上茂先生の書 『至誠通天』